こんにちは!院長の中野です。
子どもが高熱を出して、病院代や薬代に加えて、仕事も数日休むことになった…そんな経験ありませんか?
「仕方ないこと」とは思いつつも、時間もお金もじわじわ削られるのはイタいですよね 。
実は、お口の健康問題も同じです。しかもこちらは静かに、そして確実に、一生涯にわたる“経済的損失”につながっています。
今日は、経済的損失の観点からお口の健康管理の重要性をお伝えしたいと思います。
歯を1本失うことで発生する経済的損失
歯を1本失うことで生じる経済的損失はどの程度でしょうか?
歯を1本失うことで発生する経済的損失は、治療費に加え、健康への影響による間接的な損失を含めると、なんと、数十万円~100万円以上になる可能性があります。
ここでいう「間接的な損失」とは、全身の健康への悪影響から生じる損失のことです。
これは、生涯にわたってその歯が果たす機能と、それを失ったことによって生じる医療費・介護費などを踏まえた試算です。
一方で、残存歯(ざんぞんし)の本数が多い人ほど健康寿命が長く、医療費が少ないという研究結果もあります。
つまり、歯を守ることは「お金を守る」ことにもつながるのです。
ちなみに、「残存歯」とは、現在お口の中に残っている自分の歯のことを指します。
この本数は、健康や経済面に大きく影響する重要な指標です。
歯が多く残っていれば、よく噛むことができ、栄養がしっかり摂れるうえに、医療費も抑えられる傾向があります。
反対に歯を失うと、補綴(ほてつ)治療に高額な費用がかかるだけでなく、噛む力の低下から栄養不良や体力低下を招き、内科的な病気や要介護のリスクが高まることがわかっています。
実際に、高齢者の残存歯が多いほど医療費が少なく、健康寿命が長いという調査結果があります。
また、歯の本数と認知症にも関連があり、歯が少なく義歯を使用していない人は、20本以上歯がある人に比べて認知症のリスクが約1.9倍高いとされています。
義歯を使うことで、噛む力を維持でき、脳への刺激が保たれるため、認知症予防にもつながります。
さらに、残存歯が少ないと転倒や骨折のリスクも上がります。
噛み合わせが悪くなると身体のバランスが崩れ、転びやすくなるのです。
転倒や骨粗しょう症が高齢者の要介護の主な原因の一つであることを考えると、歯の健康は全身の健康と深く関係しています。
なぜ歯を失うのか
日本人が歯を失う主な原因は、歯周病と虫歯です。
とくに歯周病は進行に気づきにくく、気づいた時には重症化していることも多い「静かな病気」です。
これを予防するためには、歯ブラシに加えてデンタルフロスや歯間ブラシを活用し、歯科での定期検診を受けることが大切です。
また、虫歯と歯周病は、「生活習慣病」でもあるため、栄養バランスの取れた食事と適度な運動、十分な睡眠、そしてストレスを溜めない生活が重要です。
歯を失うデメリットのまとめ
2022年の調査によると、80歳の平均残存歯数は12~13本で、食事を楽しむために必要とされる20本を下回っています。
歯を失うと、「食べる」「話す」「表情」をつくるといった基本的な機能も損なわれ、社会的な孤立や身体の衰えを招きかねません。
歯を失うデメリットをまとめると以下のようになります。
- 体力の低下
- 社会的な孤立
- 健康寿命が減少
- 認知症リスク上昇
- 要介護リスクの増加
- 転倒・骨折リスク増加
- 医療費・介護費の増加
- 栄養不足・消化機能低下
歯の健康を守ることは、医療費や介護費の負担を減らす「経済的な予防策」といえます。
つまり、歯を失うことで発生する経済的損失は未然に防ぐことができる、いわば「避けられる損失」でもあります。
子どもの頃から日々のケアと定期的な受診を理解して習慣にすることで、1本でも多く歯を残し、健康で充実した人生を目指しましょう!
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