「ひみこのはがいーぜ」とは?
「ひみこのはがいーぜ」は、よく噛むことの大切さを覚えやすくするための標語で、よく噛むことで得られる8つの効果(肥満予防、味覚の発達、発音がはっきり、脳の発達、歯の病気予防、がん予防、消化を助ける、丈夫な体づくり)を表しています。
現代人は昔に比べて噛む回数が大幅に減っています。
例えば、弥生時代の食事では1回の食事で約3900回噛んでいたといわれますが、現代のやわらかい食事では約620回程度に減っています。
噛む回数が減ると、肥満やむし歯、集中力低下など、様々な健康トラブルにつながるため、「よく噛むことを意識しよう」というメッセージを伝えるために、この標語が活用されています。
ひとつずつの意味と噛む効果
ひ … 肥満予防
よく噛むことで満腹中枢が刺激され、食べすぎを防ぐことができます。
早食いは満腹感を感じる前に食べすぎてしまうので、肥満の原因になりやすいです。
咀嚼と肥満の関係については、日本の小学校1年生から中学校3年生までの子ども8704名を対象に、普段の食事を「よく噛む」群と「噛まない」群に分けて体格の調査が実施され、噛まない子どもは、噛む子どもに比べ、痩身傾向・標準体重より肥満傾向である可能性が示されています※。
※井邉有未,赤松利恵:小・中学生の学年区分別にみた咀嚼習慣と肥満との関連,栄養学雑誌vol.79 No.5 286-292,2021.
み … 味覚の発達
しっかり噛むことで食べ物のうま味や甘味、香りを感じやすくなり、味覚が育ちます。
噛まずに飲み込むと本当の味がわかりません。
こ … 言葉の発音がはっきり
噛むことで口のまわりや舌の筋肉が鍛えられ、発音がしっかりして言葉がはっきり話せるようになります。
の … 脳の発達
噛むと脳に血流が増え、脳の働きが活発になります。
集中力や記憶力の向上にも役立ちます
は … 歯の病気予防
よく噛むと唾液がたくさん出ます。
唾液にはむし歯菌や歯周病菌の増殖を防ぐ成分があるので、むし歯や歯周病の予防につながります。
が … がん予防
唾液には発がん性物質を分解・無害化する働きがあり、よく噛むことでがん予防の助けにもなります。
い … 胃腸の働きを助ける
噛むことで食べ物が細かくなり、消化しやすくなります。
唾液にも消化酵素が含まれているので、胃腸への負担が減ります。
ぜ … 全力投球できる体づくり
噛むことによって体の栄養がしっかり吸収され、丈夫な体を作ることができます。
運動や勉強の集中力アップにも役立ちます。
なぜ現代では噛む回数が減ったのでしょうか?
昔は玄米や雑穀、野菜、干物などを食べていたため、自然と噛む回数が多くなっていました。
現代の食事は柔らかい白米やパン、加工食品などが増えたため、噛まなくても飲み込める食べ物が中心になっています。
その結果、噛む回数が減る、満腹感を感じにくく食べすぎる、唾液が少なくなりむし歯や歯周病のリスクが増える、脳への刺激が減り集中力が低下するといった問題が起きています。
よく噛むためのポイントは?
噛み応えのある食材を取り入れ、食材は小さくしすぎず大きくします。
ひとくち30回を目安に噛み、早食いせず、ゆっくり味わうようにしましょう。
玄米、雑穀、根菜、ナッツ、干物など、硬めの食材を取り入れると自然に噛む回数が増えます。
食事中は飲み物で流し込まないようにし、飲み物は食後に摂るようにします。
食べ物をすぐに飲み物で流し込む習慣は、噛む回数を減らします。家族みんなで「ひとくち30回」チャレンジなんかも良いですね。
健康維持・増進にも集中力にも良い効果がありますよ。
もちろん、子どもだけでなく、大人にとっても意識して噛むことが大切です。
お子さんと一緒に親子でよく噛む習慣を取り入れてくださいね。
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